見つけてしまった、、、

静けさの中に咲く、赤い薔薇のこと
朝露がまだ葉を濡らしていた、静かな小径。
そこに、ひっそりと、けれど確かに主張するように咲いていた赤い薔薇。
燃えるようでいて、決して熱を持たないその赤は、
言葉を超えた情熱を、そっと語りかけてきました。
まるで誰かを待ち続けていたかのように、
風に揺れながらも、その首を高く掲げて。
花びら一枚に宿る、祈りのような美
赤い薔薇の花びらは、何重にも折り重なり、
その一枚一枚が、まるで秘密の手紙のようでした。
ひとつ、またひとつと、想いがほどけていくたびに、
そこに在るのは、孤独ではなく、深い静寂。
誰かを愛した記憶。
誰かに愛された記憶。
あるいはまだ見ぬ未来に向けて、花は咲くのかもしれません。
心の中に咲く、もうひとつの薔薇
人は、誰の心の中にも、
一輪の薔薇を秘めているのではないでしょうか。
時にとげを持ち、時に香りを放ち、
決して枯れることのない、赤い薔薇。
今日、私はそれを花壇の中に見つけたけれど、
本当は、自分自身の中に見つけたのかもしれません。
風にゆれるその姿は、
わたしの心を、そっとゆらし、整えてくれました。
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